絶滅危惧種、アカマダラハナムグリの特集です。

 

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・アカマダラコガネ

別名:アカマダラハナムグリ

 

学名Poecilophilides rusticola                                体長 15~20mm寿命

飼育下では2年以上濃い赤褐色の体に黒いまだら模様が特徴的。

全国的に数が減って絶滅危惧種に指定されています。

・生態について (1)

 

幼虫は猛禽類の巣内、黒枯れした倒木や堆肥で育ちます。

また、2009年5月に国内で初めて猛禽類以外の巣内でも確認されました。

コウノトリの郷公園の職員さんがコウノトリの死んだヒナの回収中にヒナの体に付着していたそうです。

くわしくは兵庫県立(三田市)人と自然の博物館に展示してあります。

 

・生態について (2)

 

成虫は5月~7月頃のクヌギなどの樹液に集まり交配、産卵します。また、昼間性のアカマダラは暑い8月頃になると夏休眠に入り9月頃に再び樹液に現れてから越冬に入ります。5~6月頃に生まれた幼虫は8~9月頃に成虫になり、繭の中で越冬するものと野外で活動してから越冬するものがいます。

 

 

 

 

昔は複数のアカマダラが樹液に集まっている所を見かけました。

しかし、最近ではほとんど見かけなくなり見かけても単独でいることが多くなりました。

 

 

・猛禽類の減少

 

幼虫は猛禽類の巣内で腐植質をエサとして育ちます。

猛禽類は一定の広さの縄張りを持って生活しておりこれらが生息するには多様な生態系が保たれた環境が必要なのです。

環境破壊により雑木林が減少して猛禽類が減ったことが考えられます。

 

・朽木や堆肥(倒木)の減少

 

幼虫は猛禽類の巣内の他に堆肥や倒木の黒枯れしている部分を食べて育ちます。近年の里山には近代化の波が押し寄せ高齢化が進み田畑が少なくなって堆肥などが減少したことも原因になっていると思われます。

 

 

私の知る生息場所では空を見上げると沢山のトンビ(猛禽類)が飛んでおり田畑も昔と変わらず堆肥が沢山積んであります。

にも関わらず、アカマダラの個体数は減少傾向にあるようです。

 

 

左が新成虫 右が越冬1年目の成虫

 

 

野外個体  アカマダラは昼間性です。

 

 

左が♂ 右が♀ (お尻の先端が少し出ています。)

・繭

 

飼育下では自然界と同じく卵から成虫までは3ヶ月ほどです。

生まれた時期や与えるエサによりバラッキがあります。

単体飼育で早いもので2ヶ月、遅いものでも6ヶ月で成虫になる

 

・蛹

 

 

 

 

羽化後、すぐにエサを食べ始めますが、これから休眠に入ります。

 

・屍

 

 

 

 

1年目の越冬個体は体色に深みがでます。 2年目になると符節がとれてくる。

 

 

 

「チョコ」「チョコ」と歩きます。

 

 

 

樹液採集