菌糸瓶での幼虫飼育に飽きた方、新しい飼育の楽しみ方をお探しの方、今だからこそ、原点に戻って材飼育をやってみませんか?
・① 材を加水する
10センチ以下の材を加水をする。
柔らかい材は1~2時間、硬い材は6~12時間 (産卵木全体が沈めばOK)
その後、半日程影乾しをします。
・材飼育とは
材飼育は最も自然に近い飼育方法で、特徴は自然界でオオクワガタがエサとする、白色腐朽菌にて朽ちたクヌギや、コナラ材に幼虫を埋め込み飼育します。
幼虫は樹皮に守られた静かな環境で育ち、天然個体に近い綺麗な個体が羽化します。欠点は材の中の様子がわからず、材の交換時期や成虫を割り出すタイミングが難しく、また、飼育期間が菌床、マット飼育に比べ長くなります。
用意する物
① (中)10センチ以下の芯の少ないクヌギやコナラ材
② (大)12センチ以上の樹皮が厚い芯の少ない硬めのクヌギやコナラ材
③ 小ケース、中ケース
④ 保湿カーバー
⑤ ドリル、ドライバー、ナタ
⑥ 幼虫の食べかす。
⑦ 埋込マット
・② 幼虫を入れる
オオクワガタが産卵した産卵木から初~2令幼虫と食べかすを取り出します。
産卵木から取り出した幼虫を(中)飼育材にドリルやドライバーで材の中心まで穴をあけ幼虫を入れます。
その幼虫を入れた穴に幼虫の食べかすやマットを詰め穴をふさぎます。
(食べかすが少なければ埋込マットとミックスします。)
・③ 保管する
小ケースに埋込マットを敷きます。最初に2~3センチ硬く詰めます。その上に材を入れ埋込マットを詰め込み、静かな場所で3ヶ月保管します。3ヶ月保管した飼育材を割り出します。少しずつナタなどで割り出し、幼虫の♂♀の判別を行います。♂は(大)飼育材にいれ保管します。(♀は大きさに合わせ選択します)※手順②と同じようにします。
・④ 割り出し
自然の材には、こんな感じで幼虫が入っています。
保管した材は半年後に材の様子や水分を確認します。
取り出した材を少し押さえ柔らかい材や凹みのある材は交換します。
大半はそのままで再度保管します。
※写真小さいですが、極太のBlackGraceです。
近畿圏の野外で♂は1年半~2年、♀は1年で大体の個体が羽化。
室温24℃以下で♂は1年、♀は早いもので半年、通常は8ヶ月ぐらいで羽化。
室温27℃以下で♂は1年以内、♀は半年以内で羽化。
(羽化時期は個体の大きさ飼育温度、湿度、材により変わります。)
※写真美形なkawajiriです。
当社でもワイルド個体や血統個体などの一部は材飼育しております。
大型は望めませんが前胸や上翅に凹みのない綺麗な良形個体が羽化しております。
飼育期間が菌床飼育より長くなりますが、材を割る瞬間が他の飼育では味わえない感動があります。一度チャレンジして下さい。
※写真赤眼のWhiteGrace。