~美麗~ 色虫の世界

 

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・【キンイロクワガタ属】

パプアニューギニアやオーストラリアを中心としたオセアニア地方に分布しています。♂の大顎にはノコギリのような小さな突起が多数あるのが特徴です。

 

 

・パプアキンイロクワガタ

パプアキンイロクワガタ 学名:Lamprima adolphinae

体長:♂18~50mm ♀12~25mm  分布:ニューギニアなど

 

特徴:色彩はグリーンやオレンジ色の個体が多く、

ブルーやパープルなど色彩のバリエーションも豊富です。

頸節先端に扇状の大きな突起があり、その突起をナイフのように使い、

草の茎を切断して草の汁を吸います。

・タスマニアキンイロクワガタ

タスマニアキンイロクワガタ 学名:Lamprima tasmaniae

体長:♂18~30mm ♀12~25mm分布:オーストラリア東部、タスマニア島など

 

特徴:アウラタと似ているがアウラタに比べて地味な個体が多い。

頸節先端に扇状突起がある。

 

 

・インスラリスキンイロクワガタ

インスラリスキンイロクワガタ 学名:Lamprima insularis

体長:♂18~32mm ♀12~23mm 分布:オーストラリア、ロードハウ島など

 

特徴:アウラタキンイロクワガタに似ている。頸節先端に扇状突起がある。

 

 

・ミカルドキンイロクワガタ

ミカルドキンイロクワガタ 学名:Lamprima micardi

体長:♂18~32mm ♀12~23mm 分布:西オーストラリア州、バースなど

 

特徴:アウラタやパプアキンイロクワガタに付いる頸節先端の扇状突起がない。

 

・アウラタキンイロクワガタ

アウラタキンイロクワガタ 学名:Lamprima aurata

体長:♂18~33mm ♀12~23mm 分布:オーストラリア東部、タスマニア島など

 

特徴:パプアキンイロより光沢があり♀は特に色鮮やかです。頸節先端に扇状突起がある。

・アエネアキンイロクワガタ

アエネアキンイロクワガタ 学名:Lamprima aenea

体長:♂18~35mm ♀12~25mm 分布:オーストラリア 特別地域ノーフォーク島など

 

特徴:上翅にシワがあり頸節先端の扇状突起がない。

・バリアンスキンイロクワガタ

バリアンスキンイロクワガタ 学名:Lamprima varians

体長:♂18~30mm ♀12~25mm分布:オーストラリア西部など

 

特徴:頸節先端に大きな突起がある。

 

※当店では取り扱ったことがないため、画像はございません。

・キンイロクワガタ飼育法(パプキン)

【用意するもの】

・小ケース

・クヌギ材、コナラ材、霊芝材などの柔らかめの産卵木

(ドライバーがギュッと食い込むくらい)

・微粒子発酵マット(バイオマット)

・樹皮(転倒防止用)

 

① 水分が多めの微粒子マットを5cmほど硬く押し固める。

② 加水した産卵木を入れて、木が見えなくなるぐらいにマットを入れて固める。

③ 樹皮を入れてゼリーを入れて完成。

※強制的に産卵させる場合はコマ菌を打ち込む穴や材のカット面にドライバーなどで穴を開けて♀を入れます。

 

※柔らかい材は30分くらい加水して使用します。

 

※マットだけで産卵させる場合は水分多めのマットをケースの6~8割ほどになるように堅く詰めます。

堅く詰めやすい底面に多く産卵するので底から5cmは特に堅く詰めます。

柔らかいマットの中央部にはあまり産卵しません。

完成したら25~27℃で飼育します。

3~4週間で成虫を取り出してケースを保管。

保管してから2週間ほどで幼虫を割り出します。

マットでの産卵の場合は底に幼虫が見えます。

(このように坑道を掘ります。)材に産卵する場合は

坑道を掘りながら材を噛み砕き産卵します。

・【幼虫の菌床飼育】

①小さい初令幼虫は微粒子マット(パワーマット)で2令になるまで飼育します。

②2令幼虫はG-カップ120ccにて白い菌糸の部分がほとんど無くなるまで飼育します。

(飼育期間は約1ヶ月半~2ヵ月)

③その次にG-カップ200ccかG-pot550ccに移し変えて飼育します。

(飼育期間は約2ヶ月~4ヵ月) ※♀などはこの時点で蛹化する幼虫も現れます。

★アエネアの幼虫

④大型幼虫の場合はさらにG-カップ200ccかG-pot550ccに移し変えて飼育します。

(飼育期間は約2ヶ月~4ヵ月)

※ほとんど個体が蛹化、羽化します。パワーマットでも大型になりますが、菌床飼育より羽化するまでの時間が少し掛かります。

また、パプキンは水分の多いマットを好み、オオクワガタの幼虫飼育よりも水分量を少し多めにして下さい。

【幼虫】オオクワガタの幼虫よりお尻の先端が細く、♂♀の判別が難しい。

【蛹化】♂なら孵化から4~5ヶ月、♀なら3~4ヶ月で前蛹になり、約2週間で蛹になります。

【蛹】蛹の期間は3週間ほどです。大顎は腹面に伸びず、頭部、前胸に伸びます。

また、交尾器なども確認できて、前脚だけが頭部の方向に向きます。蛹化から10日ほど経過すると、体全体が発色してきます。

【羽化】羽化後3~4週間でエサを食べ始め、ペアリングが可能になりますが、確実に産卵させるには羽化から2ヶ月位の個体をペアリングさせます。

【構造色】構造色虫(パプキン)などが綺麗な色に見えるのは色素によるものではなく、体表に液晶及びクチクラによる多層膜構造をもち、それによる発色現象です。

構造発色とは光の回折・屈折・干渉・散乱に基づく色であり、見る人の位置や光量との関係で様々な色に見えます。

同じ個体でも色が異なって見えるのは体表の多層膜構造のズレや凹凸み層膜の厚みなどで生じる光の屈折によるものです。

実際にパプキンの上翅などに水や油をしみこませると一時的に変色します。身近な構造色にはコンパクトディスクの裏面やシャボン玉が虹色に見える発色があります。

【遺伝】♂♀が同色から生まれてくる子供は同色のものが多くなります。

そのことから層膜の厚さや構造が次世代に遺伝するように思われます。

しかし、同色系統で累代を進めても完全な色の固定化は難しいようです。

また、累代が進むと血量の問題などで♀が産卵しなくなったり、羽化不全が多くなったりします。

これらの問題点を乗り越えて同色の固定化を図るには数多くの系統が必要になると思われますが、色の変化を読み取りながら好みの色が羽化したときは、何事にも変えがたい喜びがあります。

【標本】パプキンはバリエーションも豊富で、色の変化を発見したときにコレクションがはじまります。同じ色に見えても微妙な違いがあり、多くの個体を並べて標本にして眺めたらとても綺麗です。

また、樹脂標本にしてキーホルダなどを作製したり、楽しみ方はいろいろです。

 

【樹脂標本】 (不器用な店長作) パプキン (ゼリーの容器で作りました。)

 

インスラリス砂時計 (名刺入れの容器で作りました。)

 

 

絵  (写真や絵なども入れたりできます。)

「新世代、樹脂標本の世界」をご覧下さい。

 

 

クリスタルレジンを使用したコーティング標本①

糸や針金ではじめにアゴを結びます。

★ 液0

② 後足から頭部(触角)にかけて漬けます。★液1

レジンは液を混合してからの時間により粘度が変わります。

コーティングを厚くするなら混合して少し時間の経過した粘度の濃いものを使い、

薄くするなら液を混合してからすぐにコーティングします。

③ コーティング個体を平行になるようにぶらさげて乾かします。

(お尻や後足に余分なレジンが溜まるので綿棒などで吸い取ります。)

④ 12時間ほど乾燥させたら後足に結び直して、

アゴの方からお尻までコーティングします。

 

⑤ 平行になるようにぶらさげて、完全硬化(36時間)したら出来上がり。

 

小さなパプキンはこのような感じでコーティング標本します。

① 表面は前胸と胴体のあいだに昆虫針を突き刺してコーティングします。 ★※1

 

② 裏面も前胸と腹部のあいだに突き刺し乾燥したら出来上がり。

(下部にレジンが溜まるので綿棒などで吸い取ります。)

※くわしくはサイト内の「新世代、樹脂標本の世界」をご覧下さい。